初舞台

最近のアルファあなぶきホールでは、小学校・中学校・高等学校の文化祭が多く行われており、毎日のように児童・生徒の姿を目にするし、子ども達の明るく元気な声が事務所の窓から聞こえてくる。
文化祭として中学校の合唱コンクールも盛んに行われている。ちょっと前までは自校体育館のみで実施されていたと思うが、ホールを使っての合唱コンクールは少し贅沢だけどとても素晴らしい。
幼少の頃からバレエやピアノ等を習っていない多くの子ども達にとっては、生まれて初めての舞台になる。この機会にステージ立たなければ、一生このような経験をすることがない生徒もいるだろう。
クラスマッチのソフトボールを黒土のグラウンドで、クラスマッチのサッカーを全面芝生張りのスタジアムでやるのと同じような事かもしれない。
とにかくあの年齢のあの時期に本格的なホールで、檜舞台のステージに立って演奏をする経験は大切な事だと思う。
しかし、合唱コンクールを校外の施設で行うのは大変なことと思われる。ホールの使用料も学校予算レベルで見ると決して安いものではない。それでもホールで合唱コンクールを実施しようという判断をなさる校長先生の教育的意思に敬意を表したいし、実際の運営に携わっている教頭先生を始め諸先生方、特に音楽担当先生のご苦労には頭が下がる思いだ。
11月1日の抽選日には、来年のホールを予約するために音楽担当教諭や教頭先生が訪れていた。何年ぶりかに元同僚の先生にも会えて嬉しかった。
これらの先生方の努力を文化の発展に繋げていくのが私たちの仕事である。
舞台に立った多くの子ども達が成人した時に、出演者としてまた聴衆としてホールに戻って来て欲しいと願っている。そのために、教育的なプログラムや小さい子供から年配の方々までが楽しめる様々な企画を、皆さんの協力を得ながら考えていきたい。