2018年2月4日は立春、とはいえめっきりと寒い日が続いている。香川県ではめずらしい雪も降った。早春賦(そうしゅんふ)、吉丸一昌(よしまる かずまさ)作詞、中田章(なかた あきら)作曲による日本の歌曲「春は名のみの 風の寒さや~」と思わず歌いたくなった。
さて、今回は2つのクラシックコンサートにて感じたことを書いてみたい。
まず、中桐さんのピアノコンサート。初企画のワンコインコンサート、オールショパンプログラムにて9月24日(日)に開催した。その演奏を舞台袖で聴いていたのだが、教員時代に「休符も音符ですから、お休みではありません。音が出ていないだけです。」と言っていたのを思い出した。中桐さんの演奏はその休符の使い方が実に巧妙で感動した。まさに、休符をお休みとして扱っているのではなく、音楽の一部として上手く利用していたのだ。次に出てくる音を期待させるような緊張感のある無音状態、聴き入ってしまう休符の使い方をしていたのだ。
また、宮田さんのチェロリサイタル。香川県で生まれた宮田さんのコンサートは5年ぶりの公演となった。その演奏は、曲の最後と音を弾いた後に宮田さんは動かない、音の響きが完全に消えてしまうのをじっと待っているかのように余韻を聴かせるのだ。この頃、終わりの余韻を楽しまない演奏会もあるが、今回の演奏は十分に余韻を楽しむことができた。
クラシック音楽を気楽にワンコインで、というコンセプトを基に始めたワンコインコンサート、次回は3月17日(土)11:30~12:30に開催される。出演はローマ出身のイタリア人「アレックスさん」のマンドリン&ピアノコンサート、ワンコイン=500円を手に、是非ともレクザムホール(香川県県民ホール)小ホールにいらしていただきたい。