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クラシックコンサートはどうなる?

先日、テレビ報道であるホールが招聘元の経営破綻のため音楽会をキャンセルしなければならなかったということを取り上げていました。その招聘元とはアルファあなぶきホールもおつきあいのあった会社です。ただこの会社も海外から多くの演奏家を日本に紹介してきた長い歴史のある会社でした。日本のクラシックの世界にも多大の貢献があった会社で、非常に残念な話です。ただ、この長い歴史をもった会社の経営破綻の原因が昨年のリーマンショックに始まった世界不況の影響かといえば、私はそれだけではないと思っています。クラシック音楽ファンの減少が一番の原因によるものと思います。私も指定管理者として3年間このホールでオペラやコンサートを催してきましたが、観客の高齢化と減少を実感しております。また海外のオーケストラともなると多大な費用が必要となり、必然的にチケットの価格も高くしないと採算がとれないということで他のジャンルの催し物と比べると高い価格設定となっており、若い観客がなかなか近寄り難いものにもなっていたのも事実です。
クラシックコンサートの観客の減少に手をこまねいていてよいものでしょうか?次の世代を育てるということをコンサートに関係する業界だけでなく、行政も一緒になって取り組む必要があります。
私たちの子供の頃とは違い、小さい頃からピアノや楽器に親しむ機会が増えているのですが、コンサートに足を運ぶ人たちが減少するというのも皮肉なことですが、演奏者だけでなく観客を増やすことに取り組まなければならないと思います。その一つの方策として非日常空間のホールで本当の楽器の音を聞く機会を小さい頃に持つことで、必ずやその中からクラシックファンとなるきっかけになる子供たちが出てくると思います。長期的な視点での施策が必要です。