私が大学院時代に何度か訪れた街、チューリッヒ(スイス)ここにはチューリッヒ市立歌劇場がある。
千人ちょっとの収容人数で内装がとても美しくまろやかな響きが魅力的なオペラハウスであると共に、チューリッヒ湖畔に建ち外観も美しい。
この劇場の特徴は市立劇場であること、団員から職員まで公務員となるので莫大な税金を使っているのは誰の目にも明らかだろう。歌劇場のオーケストラに知り合いの日本人チェリストがいて、劇場に関する様々な話を聞いた。
ある時、この歌劇場を廃止するかしないかで住民投票が行われたとのこと。
スイスでは住民投票が日常的に行われており、住民の直接投票で可決・否決されるらしい。確かこの場合は過半数で決まると聞いた記憶がある。
その時私は考えた、もし日本で同じような直接投票が実施されたらどうなるだろうか?
ちょっと考えてみてください。
Q皆さんにお聞きします。
あなたはあなたの住んでいる市の劇場運営(事務職員からオーケストラ・歌手・バレエダンサー全て含む)に税金を使っていいですか?
YES NO
どうです?
今、我々の街がこれを実施すれば「NO」の結果になるように思いませんか?
さて、どうなったか!
結果は圧倒的にそのまま市立劇場として存続させるという票が多かったらしいのです。文化のために税金を使ってもいいという判断を住民が行ったのです。
まあ、今から15年程前に聞いた話だ。
ちょっと気になって、今現在どうなっているかを調べてみたら、今現在は株式会社として運営しているようだ。
チューリッヒ歌劇場のHP http://www.opernhaus.ch/
この歌劇場は、休憩時間にバルコニーに出ると湖からの風を感じることができる。9月の風は心地よく3月の風はおかしくなるぐらい冷たかった。それと、ここからの眺めは季節に関係なく素晴らしい、湖に山々が見えて皆さんがイメージする通りの、まるでチョコレートの包装紙でよく見るような美しいスイスの原風景である。
しかし私は『アルファあなぶきホール』からの眺めもチューリッヒ歌劇場に負けないぐらい素晴らしいと思う。
瀬戸内海【高松港】に青い海、・島々【女木島、男木島、豊島、屋島、小豆島】と風の匂い。まさに自然の恵みと言えよう。
今度演奏会にいらした際の休憩時間に、2階外の小ホール入口前石階段辺りに出てみませんか。
演奏で熱くなった心を潮風で冷やして、飲み物を飲んで後半のプログラムを聴く。
また違った演奏会の喜びを感じることができると思いますよ。