明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申しあげます。
さて、新年早々ですが、昨年の香川県、ホール主催の文化事業を振り返ってみての所感です。
文化事業の企画段階ではできるだけ多くのお客様のご来場いただけると思いプログラムを組んでいる訳ですが、多くの催物では空席が目立っていたのも確かです。
そういうなかで、2000席の大ホールが満員御礼となった催物が2つありました。
一つはフジコ・ヘミング女史のピアノリサイタル、もう一つが熊川哲也氏の率いるKバレエカンパニーのバレエ「白鳥の湖」でした。
昨年の東北大震災の影響だけでなく近年の不景気という雰囲気が文化への支出が減少していると言われるなか、この二つともが1万円を超える入場料ということで、発売前は私たちは売れ行きをたいへん心配しておりました。
しかしながら、両方とも発売当初から順調な売れ行きを示し、あっという間に売り切れてしまいました。
なぜこの二つが断然人気があるのだろうかと考えてみました。
二つの共通点がフジコ・ヘミング女史や熊川哲也氏のマスコミへの露出が多く観客の多くが、彼らの人生というものをバックに鑑賞しに来られているのだと思いました。
フジコ・ヘミング女史のピアノのテクニックというより、彼女の人生がピアノから聞こえてきているように私も聞こえました。
熊川哲也氏のKバレエはバレエに精通していない私が見てもストーリーが非常にわかりやすい演出で、熊川氏だけでなく舞台上で踊っている人たちの踊りも上手な人が揃っているのがよくわかりました。また、いつもながら舞台セットも非常に豪華です。
このようにお客様は単なる演奏や演技を観にこられるのではなく、何かプラスアルファを期待して来られているのだと思います。
そういうニーズにお応えするべく、今年も演目選びをしたいと思っております。
どうか今年もよろしくお願いいたします。