今年の新年は高松で初めて催された『ジルベスタコンサート』の舞台上で迎えたのだ。
昨年は12月31日や1月1日からも舞台があったため、大晦日の夜は次の日の舞台に備えて早くから布団に入って横浜駅周辺で盛り上がる人達の歓声を聞きながら眠っていた。
それに比べて今年は夜中に起きており、しかも舞台上ではしゃいでいた。
ただ、当日の進行は大変だった。23時53分35秒からエルガーの威風堂々を演奏するタイムスケジュールができていた。それを舞台袖で見ていたら、指揮者が53分30秒から振り始めたのだ。指揮者の楽譜には細かな秒単位の計画が書かれていたらしいのだが…。こう言うと、なんだ!簡単じゃないかと思われるかもしれないが、生の演奏はそんな簡単なものではない。23時59分58秒に音を切って残響が1秒とし、ジャスト0時の新年になった瞬間にクラッカーを鳴らさなくてはいけない。実際に少し遅れて終わったジルベスタコンサートを観たこともある。私自身が数年前にオオクラホテル大阪で歌ったジルベスタコンサートは、このジャストが大切だからと生演奏のピアノとかバックバンドを使うことが許されず、MD音源での演奏になったことがある。
さて、結果はどうだったかと言うと、みごと0時ジャストにクラッカーが鳴ったのであった。GP(本場前の最終リハーサル)ではジャストに音を切ったので若干遅れてクラッカーが鳴った。その経験と指揮者自身が今日のテンポ感を判断して、5秒早く始めたのだと勝手に推測している。素晴らしい指揮者・松下京介氏であった。
今年も大好きな音楽に携わって新年を迎えられた事に喜びを感じている。
箱根駅伝を横浜CATSのリハーサル室から眺めた昨年を思い出しながら、同じ番組をコタツで寝転がって見ていた。餡餅雑煮もたくさん食べたし、昨年までと違いノンビリとした讃岐のお正月を過ごしたのだ。
さて、新春にふさわしい音楽会をご紹介したい。
1月13日(日)18:30からウィーン交響楽団のコンサートがアルファあなぶきホールで開催される。ヨハンシュトラウス作曲のワルツやポルカを中心としたプログラムだ。
ワルツと聞くと「1・2・3」「1・2・3」「1・2・3」の正三角形△を書くようなリズムを教わったと思うが、ウィンナーワルツはちょっと違っていて「1・2‥‥3」「1・2‥‥3」「1・2‥‥3」となり、2拍目がちょっと長い。これはワルツを踊る時『1で足を出す(引く)』・『2でターン』・『3で足を揃える』のが基本ステップであるが、2拍目が長いのは女性がターンをしてスカートが落ち着く時間が必要なので、ウィーンのワルツはこのリズムになったと聞いた。ある時期のウィーンでは舞踏会が頻繁に開催されたので、これがウィーンのウィンナーワルツたる由縁なのだ。
ポルカは民族音楽から発祥した2拍子の軽快なリズムを持った音楽であり、リズム感があってとても聴きやすい。
13日のコンサートはこれらの明るい音楽が続くのだ、是非ともこの雰囲気で明るく新春の幕開けにしていただきたいと思っている。